Verona ボルサーリ門 ~ ローマ劇場

ボルサーリ門 ~ ローマ劇場 ヴェローナ

 ポルサーリ門 Porta Borsariから市街に入り、エルベ広場 Piazza delle Erbeシニョーリ広場 Piazza dei Signoriスカラ家の廟 Arch Scaligereランベルティの塔 Torre di Lambertiジュリエッタの家 Casa di Giuliettaを通って、ポルタ・レオーニ(Porta Leoni)を出て、アディジェ川沿いにローマ劇場(Teatro Romano di Verona)・考古学博物館までの散歩です。約30分の散歩です。

ボルサーリ門 Porta Borsari

 ポストゥミア街道が市街地に入る地点に、紀元前1世紀~1世紀に造られた古代ローマ時代の門です。碑文によれば、1世紀に建て替えられたとされています。付近にあったとされるユピテルを祀る祠に因んで、ローマ時代はユーピテル門と呼ばれていましたが、中世になりこの門が徴税場所であったことから「徴税」を表すbursariiが転じてボルサーリ門と呼ばれるようになりました。

 門は白大理石で造られ、中央は2つのアーチの間のコリント式の円柱により支えられています。
 門は古代ローマ時代のデクマヌス・マクシムス(Decumanus Maximus 都市の中心部を東西に貫く基幹道路)の起点でした。現在の旧市街側はボルサーリ門通り(Corso Porta Borsari)です。

▼ ヴェローナの戦い

エルベ広場 Piazza delle Erbe

 古代ローマ時代の公共広場フォロがあった場所です。かつて農産物を売る露天市場の中心であったため、代表的な商品であるハーブに因んでハーブ広場(=エルベ広場)と名付けられたといわれています。

広場を北西側から撮影した写真です。
左に映っているのが「ランベルティの塔」です。

広場を南東側から撮影した写真です。

 1405年から1797年にヴェローナを支配したヴェネツィア共和国のシンボル「聖マルコの有翼の獅子」を頂いた円柱と17世紀のバロック様式の「パラッツォ・マッフェイ Palazzo Maffei Casa Museo」です。この建物は古代ローマ時代の神殿跡に建てらており、そのためか、建物の上にはローマ神話の神々の像があります。左からヘラクレス、セウス、アフロディテ、ヘルメス、アポロン、アテナです。

 「ヴェローナのマドンナの噴水」です。1368年に彫刻家ボニーノ・ダ・カンセオーネ Bonino da Campioneにより広場中央に建てられたそうです。

シニョーリ広場 Piazza dei Signori

 エルベ広場とは対照的に静かで落ち着いた感じの広場です。その一部はエルベ広場と共に古代ローマ時代の公共広場フォロがあった場所です。

 写真は「神曲」で有名なダンテ・アリギエーリDante Alighieri(1265~1321年)の像です。ダンテの生誕600年を記念して1865年5月14日に落成されたものです。
 ダンテはフィレンツェを追放され、北イタリアの宮廷を転々とします。ヴェローナではスカラ家に滞在し、最終的にはラヴェンナで56歳で亡くなります。

ポデスタ宮殿 Palazzo del Podestaです。
13世紀末頃に建てられ、市の執政官の公邸として使われていました。 現在は市長官邸として使われています。

ポデスタ宮殿側から撮影した広場の様子です。

コンシリオ回廊 Loggia del Consiglioです。
1493年に完成した行政庁舎・議事堂です。

ラジョーネ宮 Palazzo della Ragioneです。
手前の工事中の建物がカンシニョリオ宮Palazzo di Cansignorioです。

スカラ家の廟 Arch Scaligere

 シニョーリ広場の東側にあるロマネスク様式の教会がスカラ家のサンタ・マリア・アンティカ教会です。この教会に隣接している霊廟がスカラ家の廟です。墓を囲んでいる鉄格子にはスカラ家の家紋で、スカラ(階段)の名の通り、階段模様のゴシック様式の尖塔が配置されています。

カングランデの廟 arca di Cangrandeです。

カンシノーリオの廟 Arca di Cansignorioです。

ランベルティの塔 Torre di Lamberti

 ランベルティの塔は1172年にランベルティ家によって建設された37mのロマネスク様式の塔です。1463年に84mの高さに改修され、さらに1779年に時計が設置されました。

 写真は、ランベルティの塔からの眺望です。

ランベルティの塔から見たエルベ広場です。

ランベルティの塔から見たシニョーリ広場です。

ジュリエッタの家 Casa di Giulietta

 シェークスピアの名作「ロミオとジュリエッタ」のジュリエッタの家です。信憑性はともかく、中庭にはジュリエッタの像、懐かしい映画のワンシーンを再現したバルコニーなどがあります。

ジュリエッタの家の入り口です。

中庭はこんな感じです。

中庭にジュリエッタの像(コピー)が有ります。皆さん写真撮影しています。我々、男性にはこんなことできないですね、

映画のシーンを再現したバルコニーを、3階から撮影したものです。

 「ロミオとジュリエット」という風に覚えていましたが、女性名ですから「ジュリエッタ」が正しいですね。

ポルタ・レオーニ(Porta Leoni)

 古代ローマ時代の門です。古代ローマ時代の街の基軸道路カルド・マクシムス(Cardo Maximus 古代ローマの都市の中心部を南北に貫く基幹道路)の南東端にあり、紀元前1世紀中頃から1世紀の間に造られました。15世紀に近隣から発掘された石棺の表面に彫られたライオンに因んで、レオーニ(ライオン)門と呼ばれたそうです。

建物の一部として残るレオーニ門です。

街中に保存されているレオーニ門の遺跡です。

レオーニ門をさらに進むとアディジェ川にぶつかります。

南に向かって撮影したアディジェ川と東岸です。

北に向かって撮影したアディジェ川と両岸です。

ローマ劇場(Teatro Romano di Verona)・考古学博物館

 紀元前1世紀、アウグストス皇帝時代にアディジェ川の川岸に位置する丘の斜面に建てられました。当時は、北イタリアにあるローマ劇場の中で一番大きな劇場で、円形闘技場アレーナより先に建てられたようです。現在このローマ劇場では、夏の間、劇やバレエなどが演じられています。
 考古学博物館は、19世紀の初めにヴェローナ出身の考古学者アンドレア・モンガ氏により発掘された遺跡が収められています。彼が亡くなって、ヴェローナ市の所有となったものです。ヴェローナで発見されたローマ時代の遺跡も集められました。

ローマ劇場と考古学博物館の入り口の建物です。

ローマ劇場です。

考古学博物館の中庭と回廊です。

劇場の貴賓席に使われたと考えられるスフィンクスです。

考古学博物館から望むローマ劇場、アディジェ川、そしてヴェローナの街です。

参考にした図書、URL
 地球の歩き方 ミラノ ヴェネツィアと湖水地方

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